料理をするときに昆布だしはとても重要ですが、時には面倒だったり、昆布がすぐに使い切れないこともありますよね。そんなときに便利な、昆布だしの代用品をいくつかご紹介します。
昆布だしの代用品を選ぶポイント
ポイントはうま味成分
昆布だしの代わりに使う際に重要なのは、「うま味成分」です。
人間が感じる五味の1つである「うま味」(他の4つは「甘味」、「塩味」、「苦味」、「酸味」)は、食べ物の美味しさに不可欠な役割を果たしています。
昆布だしを置き換える代替品には、三大うま味成分である「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」や、他のアミノ酸が多く含まれるものが適しています。
グルタミン酸
様々な食品に含まれる「グルタミン酸」は、食品ごとに含まれる量が異なります。微量しか含まない食品もありますが、大量に含まれる食品もあります。グルタミン酸は私たちが生まれて初めて口にする母乳にも含まれており、幼少期から慣れ親しんだうま味です。
イノシン酸
肉や魚、またそれらから作られた食品(例:かつお節、煮干し、生ハム、ベーコンなど)には、「イノシン酸」といううま味成分が豊富に含まれています。
グアニル酸
キノコ類から作られた食品(例:干しシイタケ、乾燥ポルチーニ茸など)には、「グアニル酸」といううま味成分が多く含まれています。
うま味の相乗効果
うま味成分は単体でもうま味がありますが、2つ以上が組み合わさることで相乗効果が生まれ、単独で味わう場合の何倍もの美味しさを実感できます。
昆布だしの代わりになるもの
さざなみで昆布だしの代用
さざなみは、刻んだ塩吹き昆布を醤油、食塩、砂糖、アミノ酸などで味付けし、加工したものです。
昆布を主原料として使い、味も調整されているため、さざなみは昆布だしの代わりに使うことができます。
ご飯のおかずやおにぎりの具材として活躍し、多くの家庭で常備されています。
料理に使用する際には、特に塩分を加える際には味見をしながら調節し、塩辛くなりすぎないよう注意しましょう。なぜならば、すでに食塩、砂糖、アミノ酸などで味がついているからです。
昆布茶で昆布だしの代用
昆布茶は、昆布を粉砕し、砂糖、食塩、アミノ酸などを加えて味を整えたものです。
昆布を主原料とし、うま味を増すアミノ酸も含まれているため、昆布茶は昆布だしの代替品として適しています。
顆粒タイプや粉末タイプがあり、料理に手軽に使えます。また、缶に入れてコンパクトに保存できるのも便利です。
すでに砂糖や食塩の味が付いているので、使いながら味の濃さを調節することが大切です。
ほんだしで昆布だしの代用
ほんだしは、3種類のかつお節を主原料とした和風だしの素です。
そのうま味成分であるイノシン酸を多く含んでいるため、ほんだしは昆布だしの代わりに使うのに適しています。
顆粒状で手軽に使え、お湯に溶かすだけで即座に使えるので、昆布だしを取る手間が省けます。
おでんや炊き込みご飯、味噌汁、鍋物など、和風の料理全般に利用できます。また、和え物やマリネにも使えます。
とろろ昆布で昆布だしの代用
とろろ昆布は、昆布に醸造酢、砂糖、アミノ酸などで調味され、加工された削り昆布です。
昆布を原料としているため、とろろ昆布は昆布だしの代わりに利用できます。
おにぎりにまぶしたり、お吸い物の具として使うために、とろろ昆布を常備している家庭も多いでしょう。
お湯に入れるだけで簡単に溶けるので、昆布を水に浸して昆布だしを作る手間が省けます。
また、とろろ昆布はネバネバした食材であり、食物繊維が豊富で腸内の善玉菌の増加に役立つため、腸内環境の改善にも良いでしょう。
味の素で昆布だしの代用
サトウキビを発酵させて作られた味の素は、昆布のうま味成分であるグルタミン酸を豊富に含んでいます。
そのため、味の素は昆布だしの代替品として適しています。
色が付かないので、素材の色を生かすことができ、色鮮やかな青菜のおひたしなどに適しています。
お湯に溶かすだけで昆布だし風に使えます。また、出汁感や風味を増したいときに炒め物や漬物に振りかけることもできます。
ハイミーで昆布だしの代用
味の素よりもしっかりとした旨みが欲しい場合は、うま味調味料であるハイミーが昆布だしの代替品として適しています。
ハイミーは、昆布のうま味成分であるグルタミン酸に加えて、かつお節のうま味であるイノシン酸やシイタケのうま味であるグアニル酸もバランスよく含んでいます。
複数のうま味成分が相乗効果を生み出し、より深い旨みをもたらします。
ハイミーはうま味が強く、料理の材料に旨みがよく染み込みます。
昆布つゆで昆布だしの代用
昆布つゆは、昆布だしや昆布エキスに醤油、砂糖、食塩、煮干しエキス、アミノ酸などを加えて調味したものです。
昆布製品であるため、うま味成分も豊富に含まれており、昆布つゆは昆布だしの代替として適しています。
醤油味ベースで昆布の風味を生かした料理に最適であり、煮物や炒め物、ソテー、和え物など幅広い料理に利用できます。
また、ソバやうどんのつゆを作る際にも便利です。料理にしっかりとした醤油の色がつくのも魅力的です。
白だしで昆布だしの代用
白だしは、昆布やかつお節から取った出汁に薄口醤油、食塩、砂糖、みりんなどを加えて作られた調味料です。
昆布をベースにしているため、白だしは昆布だしの代用として適しています。
色が薄いので、素材の色を生かした料理に最適です。茶碗蒸しなどの料理におすすめです。
また、濃縮タイプが一般的ですが、希釈して使用することを忘れずに。
めんつゆで昆布だしの代用
めんつゆは、醤油、かつお節だし、昆布だし、椎茸だし、煮干しだし、砂糖、食塩、みりんなどを主原料として作られた調味料です。
だしを含んでいるため、めんつゆは昆布だしの代用品として適しています。
和食の味付けに使用されるため、麺のつゆだけでなく、和風の煮物などを作りたいときにも便利です。
濃縮タイプやストレートタイプがありますが、濃縮タイプを使用する場合は容器に表示された通りに希釈して使用しましょう。
トマトケチャップで昆布だしの代用
トマトケチャップ、トマトペースト、缶詰のトマトは、熟したトマトから作られています。熟したトマトにはうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれているため、これらの製品は昆布だしの代用として適しています。
酸味が特徴的なため、濃い味付けをする煮込み料理などに適しています。また、酸味があることで塩分を控えめにすることができ、減塩効果も期待できます。
ただし、酸味が邪魔になる薄味の料理に使用する場合は、水で薄めて使用することをおすすめします。
干しシイタケの戻し汁で昆布だしの代用
干しシイタケの戻し汁には、キノコに多く含まれるうま味成分であるグアニル酸が豊富に含まれています。そのため、干しシイタケの戻し汁は昆布だしの代用として適しています。
干しシイタケを早く戻したい場合は、冷たい水ではなくぬるま湯を使用すると効果的です。また、ぬるま湯に砂糖を加えるとさらに早く干しシイタケを戻すことができます。
ブロッコリーの茹で汁で昆布だしの代用
ブロッコリーには昆布のうま味成分であるグルタミン酸が含まれています。そのため、ブロッコリーの茹で汁は昆布だしの代用として使うことができます。
茹でる際は、特に茎だけを使用して茹でた茹で汁でも問題ありません。
濃口醤油で昆布だしの代用
濃口醤油にはうま味のもとであるアミノ酸が多く含まれており、特に昆布だしのうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれています。そのため、濃口醤油は昆布だしの代用として使用できます。
また、醤油は基本五味をバランスよく含んでいるため、料理には欠かせない調味料です。ただし、味が濃いため、使用する際は少量ずつ加えて様子を見ながら調整しましょう。
海苔で昆布だしの代用
海苔は海水中で育つ海藻であり、昆布と同様に豊富なミネラルを含んでいます。海苔には、昆布と同様にうま味成分であるグルタミン酸やイノシン酸が多く含まれていますので、昆布だしの代わりに使用することができます。
さらに、海苔には疲労回復に効果があるとされるアスパラギン酸や、コレステロールや中性脂肪を減らすとされるタウリンも含まれています。焼き海苔を料理に使用する際は、適切な大きさにちぎって加えてください。
アンチョビで昆布だしの代用
アンチョビは、カタクチイワシをオリーブ油や塩で漬けて熟成させた食材です。アンチョビにはうま味成分が凝縮されており、特にグルタミン酸が豊富に含まれていますので、昆布だしの代用として使用できます。
冷蔵庫にアンチョビのチューブがある方も多いでしょう。使用する際には、塩分に注意しながら少量ずつ料理に加えてください。
コンソメで昆布だしの代用
コンソメは、塩、砂糖、油脂、野菜エキス、肉エキス、香辛料、アミノ酸などから作られる洋風のだしの素です。野菜や肉から出るうま味やコクが凝縮されており、昆布だしの代用として使用することができます。
スープや煮込み料理、カレーなどの料理に加えることで、深みのある味わいを楽しむことができます。使用する際には、味の濃さや塩分に注意しながら適量を加えてください。
昆布だしがない時の代用品になるものまとめ
代わりに使える「うま味成分」が豊富な素材や調味料は次の通りです。
1. さざなみ
2. 昆布茶
3. ほんだし
4. とろろ昆布
5. 味の素
6. ハイミー
7. 昆布つゆ
8. 白だし
9. めんつゆ
10. トマトペースト
11. 干しシイタケの戻し汁
12. ブロッコリーの茹で汁
13. 濃口醬油
14. 海苔
15. アンチョビ
16. コンソメ
これらの代替品は、昆布だしのうま味成分に近い成分を含んでいますので、昆布だしが手に入らない場合でも料理においしさと深みを加えるのに役立ちます。